seasons.(シーズンズ)【完】
「どうして冬香はあの場に居合わせていたのですか?」
本題を切り出すと、冬香は僕を一瞥して目を泳がせながら口ごもり出した。
「あの……それは……」
「怒ったりしませんから」
「……そもそも、既に怒ってたりしない?」
「はい?」
僕が怒っている?
いつどこで誰に対して?
こちらがクエスチョンマークを浮かべる傍ら、冬香はおどおどしながらタオルをぎゅっと握り締めている。
「だから、講習の時のことで……怒らせちゃったからちゃんと謝って許してもらいたかったの。それで追いかけてたら……」
「なんだ、そういうことですか」
冬香の予期せぬ発言に不覚にも苦笑いしてしまった。
「な、なんで笑うのっ?」
「すいません。悪気はないんです。ただ、」
「ただ?」
「そんなことか、と拍子抜けしてしまって」
「そんなことじゃないよ。私気に掛かって講習全然頭に入らなかったんだから……」
肩をすくめてしょぼくれる冬香。
それは悪いことをしましたと言いたいところですが、生憎僕も同じ心境でしたのでここはおあいこですね。
本題を切り出すと、冬香は僕を一瞥して目を泳がせながら口ごもり出した。
「あの……それは……」
「怒ったりしませんから」
「……そもそも、既に怒ってたりしない?」
「はい?」
僕が怒っている?
いつどこで誰に対して?
こちらがクエスチョンマークを浮かべる傍ら、冬香はおどおどしながらタオルをぎゅっと握り締めている。
「だから、講習の時のことで……怒らせちゃったからちゃんと謝って許してもらいたかったの。それで追いかけてたら……」
「なんだ、そういうことですか」
冬香の予期せぬ発言に不覚にも苦笑いしてしまった。
「な、なんで笑うのっ?」
「すいません。悪気はないんです。ただ、」
「ただ?」
「そんなことか、と拍子抜けしてしまって」
「そんなことじゃないよ。私気に掛かって講習全然頭に入らなかったんだから……」
肩をすくめてしょぼくれる冬香。
それは悪いことをしましたと言いたいところですが、生憎僕も同じ心境でしたのでここはおあいこですね。