seasons.(シーズンズ)【完】
「ずっと一人でいないか?」
「んー、ちょっと本人に問題があってさー」
「問題?」
「そうそう。あ、ナッちゃんがちょうど良いタイミングで行ったね。ほら、あれ見てみなよ」
肩を竦めていたシゲが指差した先には、一生懸命米澤に話し掛ける女子の姿。
ありゃ隣の席の、芳賀……だったか?
その光景を見ていると、呼び起される過去の出来事。
昼休みに一人ぼっちで俯いていたアイツに声をかけた小学生の俺が、瞼の裏に映し出されて眩暈を催す。
米澤に話しかける芳賀と、過去の自分を無意識のうちに重ねてしまうなんて、何をしているんだ俺は。
「見てれば分かるから」
シゲの言葉で我に返り、斜め下に伏せていた視線を戻す。
芳賀に恨みはないが正論を述べよう。
なんだか米澤が物凄く不快がってるように見えるぞ。
眉を寄せて口はヘの字で、ってマジで嫌がってないか?
あーっと、米澤とうとう手を上げたな。
芳賀もやっと諦めたのか退却してこちらに向かって来てるぞ……いや待てよ、なぜにこっちへ来るんだ?
「金沢~」
滅多打ちにされた挙句、試合に敗北したエースの如くうなだれた芳賀は、情けなくシゲの名前を呼んだ。
どうやらシゲに用があるらしい。
「んー、ちょっと本人に問題があってさー」
「問題?」
「そうそう。あ、ナッちゃんがちょうど良いタイミングで行ったね。ほら、あれ見てみなよ」
肩を竦めていたシゲが指差した先には、一生懸命米澤に話し掛ける女子の姿。
ありゃ隣の席の、芳賀……だったか?
その光景を見ていると、呼び起される過去の出来事。
昼休みに一人ぼっちで俯いていたアイツに声をかけた小学生の俺が、瞼の裏に映し出されて眩暈を催す。
米澤に話しかける芳賀と、過去の自分を無意識のうちに重ねてしまうなんて、何をしているんだ俺は。
「見てれば分かるから」
シゲの言葉で我に返り、斜め下に伏せていた視線を戻す。
芳賀に恨みはないが正論を述べよう。
なんだか米澤が物凄く不快がってるように見えるぞ。
眉を寄せて口はヘの字で、ってマジで嫌がってないか?
あーっと、米澤とうとう手を上げたな。
芳賀もやっと諦めたのか退却してこちらに向かって来てるぞ……いや待てよ、なぜにこっちへ来るんだ?
「金沢~」
滅多打ちにされた挙句、試合に敗北したエースの如くうなだれた芳賀は、情けなくシゲの名前を呼んだ。
どうやらシゲに用があるらしい。