seasons.(シーズンズ)【完】
「お医者さん?」
突然宣言をした僕を、見上げてくるほなみ。
「はい。そしてほなみの病気を治してあげるんです。他にも苦しみながら病気と戦っている患者さん達をたくさん救ってあげたいんです」
「そっか……」
ほなみはそこで一度言葉を区切り、
「あっくんならきっとなれるよ。私応援してるね」
地に足裏をついて減速させたブランコから降りたほなみは、歩きにくそうなスリッパのまま前進して、数メートル先で立ち止まった。
そして僕に背を向けたまま語り出す。
「でも残念だなぁ。一流のお医者さんになったあっくんに治療してもらいたかったけど……私きっともう駄目。助からないよ」
風に吹かれ、木々から緑が舞い散る光景は、まさに僕の心境そのものだった。
現状維持していた僅かな幸せさえも崩される瞬間。
「何を言って……?」
「分かるの。自分の体のことだから」
それは逆境に立たされているほなみだからこそ言える、説得力のある言葉だった。
「だから自由に動けなくなっちゃう前に……最期にあっくんとブランコに乗りたかった。初めて出会ったあの時のように」
突然宣言をした僕を、見上げてくるほなみ。
「はい。そしてほなみの病気を治してあげるんです。他にも苦しみながら病気と戦っている患者さん達をたくさん救ってあげたいんです」
「そっか……」
ほなみはそこで一度言葉を区切り、
「あっくんならきっとなれるよ。私応援してるね」
地に足裏をついて減速させたブランコから降りたほなみは、歩きにくそうなスリッパのまま前進して、数メートル先で立ち止まった。
そして僕に背を向けたまま語り出す。
「でも残念だなぁ。一流のお医者さんになったあっくんに治療してもらいたかったけど……私きっともう駄目。助からないよ」
風に吹かれ、木々から緑が舞い散る光景は、まさに僕の心境そのものだった。
現状維持していた僅かな幸せさえも崩される瞬間。
「何を言って……?」
「分かるの。自分の体のことだから」
それは逆境に立たされているほなみだからこそ言える、説得力のある言葉だった。
「だから自由に動けなくなっちゃう前に……最期にあっくんとブランコに乗りたかった。初めて出会ったあの時のように」