seasons.(シーズンズ)【完】
最期だなんて言わないでほしい。
まだやりたいことは山のように残っている。
病気を克服したらまた笑い合いながら色々なスポーツをしたり、みんなで遠出したり、一緒に楽しい時間を過ごそうって約束したじゃないですか。
「ほなみ!おかしなことを言うのはやめてください!」
「もう未練なんてないや。これでいつでも逝けるよ」
「諦めてはいけません!」
らしくもないネガティブな発言に焦りを覚えた僕は、ほなみに詰め寄って肩を掴みこちらを向かせた。
「諦めも肝心って……言うでしょ?」
ほなみは笑っていた。
虚ろな目からこの上なく美しい涙を流しながら。
笑いながら涙を流すというのも奇妙な話だけれど。
「ッ、あ……くん」
心なしか呼吸が乱れている。
正直顔色も良いものとは言えない。
唐突な彼女の変化に置き去りにされた僕は、返す言葉を紡ぐことができなくなっていた。
「ぁり、が……と……」
途切れ途切れにそう告げるなり、ほなみは僕に体を預けた。
全体重をかけられ、僕は少しよろけてしまう。
「……ほなみ?」
問いかけに反応はない。
ほなみの表情は苦しみに歪んでおり、脂汗が滲み出てきている。
まだやりたいことは山のように残っている。
病気を克服したらまた笑い合いながら色々なスポーツをしたり、みんなで遠出したり、一緒に楽しい時間を過ごそうって約束したじゃないですか。
「ほなみ!おかしなことを言うのはやめてください!」
「もう未練なんてないや。これでいつでも逝けるよ」
「諦めてはいけません!」
らしくもないネガティブな発言に焦りを覚えた僕は、ほなみに詰め寄って肩を掴みこちらを向かせた。
「諦めも肝心って……言うでしょ?」
ほなみは笑っていた。
虚ろな目からこの上なく美しい涙を流しながら。
笑いながら涙を流すというのも奇妙な話だけれど。
「ッ、あ……くん」
心なしか呼吸が乱れている。
正直顔色も良いものとは言えない。
唐突な彼女の変化に置き去りにされた僕は、返す言葉を紡ぐことができなくなっていた。
「ぁり、が……と……」
途切れ途切れにそう告げるなり、ほなみは僕に体を預けた。
全体重をかけられ、僕は少しよろけてしまう。
「……ほなみ?」
問いかけに反応はない。
ほなみの表情は苦しみに歪んでおり、脂汗が滲み出てきている。