seasons.(シーズンズ)【完】
「しっかりしてくださいほなみ!」
僕は恐れていた最悪の事態を目の当たりにし、混乱の渦に飲み込まれただまごまごしていた。
いざと言う時に役に立てないなんて情けない。
自分の無力さを思い知らされる。
結局、周囲にいた家族連れの大人が病院へ連絡してくれてほなみは病院へ逆戻りした。
これで万事休してくれればどんなに幸なことだったろうか。
しかし僕の願いとは裏腹に、狂った歯車は止まる気配を見せない。
ほなみの容体は悪化する一方で、回復の兆しは全く見込めなかった。
壁一枚を挟んだ小さな個室から聞こえてくる、ほなみの親族の喚きがそれを物語っている。
「ほなみちゃんは安静にしてなきゃ駄目だって知ってたでしょう!?」
母から食らった平手打ちなんて痛くも痒くもない。
今は後悔の念だけが僕を支配していた。
僕はどうしてあの時ほなみを止めてあげられなかったのだろう?
きっとそれが本当の思いやりだったはずなのに……。
「僕は――」
ほなみを呼ぶ一層大きな喚き声と共に、この世からひとつの幼い光が消えてしまった。
僕は恐れていた最悪の事態を目の当たりにし、混乱の渦に飲み込まれただまごまごしていた。
いざと言う時に役に立てないなんて情けない。
自分の無力さを思い知らされる。
結局、周囲にいた家族連れの大人が病院へ連絡してくれてほなみは病院へ逆戻りした。
これで万事休してくれればどんなに幸なことだったろうか。
しかし僕の願いとは裏腹に、狂った歯車は止まる気配を見せない。
ほなみの容体は悪化する一方で、回復の兆しは全く見込めなかった。
壁一枚を挟んだ小さな個室から聞こえてくる、ほなみの親族の喚きがそれを物語っている。
「ほなみちゃんは安静にしてなきゃ駄目だって知ってたでしょう!?」
母から食らった平手打ちなんて痛くも痒くもない。
今は後悔の念だけが僕を支配していた。
僕はどうしてあの時ほなみを止めてあげられなかったのだろう?
きっとそれが本当の思いやりだったはずなのに……。
「僕は――」
ほなみを呼ぶ一層大きな喚き声と共に、この世からひとつの幼い光が消えてしまった。