seasons.(シーズンズ)【完】



後日行われたほなみの葬儀。

誰もが真っ黒な服に身を包み、重苦しい空気のなか冷たくなってしまったほなみに手を合わせた。

今晩の葬儀は一段落というところで、僕は涼人に呼び出されて外の駐車場に出た。

暗闇の世界で、満月だけが鬱陶しいくらい存在を主張している。


「なんでほなみを連れ出したんだ?」


涼人は冷酷な目をしていた。


「それは……ほなみがどうしても外に行きたいと、」

「ほなみのせいにしてんじゃねーよ!」


突然の怒鳴り声にびくりと肩を震わす。


「お前が連れ出さなければこんなことにはならなかったんだ!ほなみが死んだのはお前のせいなんだよ!わかってんのか!?」


涼人の言葉の一つ一つが、僕を串刺しにするかのように体中に突き刺さる。

立ち尽くす僕の胸倉を掴んで涼人は叫んだ。


「この人殺し!」


そう……なのかもしれない。

“かも”じゃなくて、“そう”なんだ。

僕がほなみを――……、


「喧嘩はやめて二人とも!」


ぼんやりと自分のしでかした罪の重さを再認識していると、細身の女性が割って入ってきて僕と涼人の身を引き剥がした。
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