seasons.(シーズンズ)【完】
「よっす、ナッちゃん。頑張ってたみたいだけど、どうだったー?」
「うん、見ての通り駄目だったわ」
「あちゃードンマイっ。元気出して!」


シゲに励まされるのも新手の屈辱に感じられるな。
なんて言ったら怒られるかもしれないが。
芳賀は横目で米澤の方を見やりながら腕組をしてみせると、尖らせていた口を開いた。


「金沢の言った通りね。“話し掛けないで”の一点張りでさ、友達作る気なんてさらさらないみたい」
「昔からそうみたいだからね。自分から孤立しようとしてるっていうかさ~」
「でもその方が調教し甲斐があるってもんよ!」


調教て……米澤を獣みたいな扱いで言うなよ。


「調教ってなんかエロいよナッちゃん~」
「それはアンタの思考が腐っている証拠ね!それより米澤冬香、絶対振り向かせてやるわ!」
「オレも協力するし!」
「何よ金沢。結構気の利く奴じゃないの」
「気付くのが遅いっちゅーの!」


そして顔を見合わせて高笑いする二人。
このテンション、ついていけるか自信がなくなってきたぞ。
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