seasons.(シーズンズ)【完】
*冬香side



「そして僕は、この罪を医者になることで必ず償おうと決めました」

「そう……」


辛い事実を語ってくれたあっくんの横顔はとても悲しそうで。

こんな時どんな気の利いた言葉を返せばいいか分からない。

融通の利かない自分に悔しさを覚えた。


「長くなりましたがこんなところでしょうか。理解して頂けましたか?」


一息吐いてこちらを見るあっくん。


「ありがとう。本当のこと話してくれて嬉しかった」


無理に笑顔を作ると、やっぱりあっくんは笑い返してくれた。

でもそれはいつもとは何か違う、仮面を張り付けたみたいに不自然な笑顔に見えた。

まるで強がっているような、そんな笑顔。


「いつか……」


二人の間を吹き抜ける生温い風が木々を揺らす。
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