seasons.(シーズンズ)【完】



「始めは気安い奴ね~って思ってたけど案外いい奴だったのね、ハルって」


転入してからあっという間に二週間が経過した。
それぞれが早くもクラスの雰囲気に馴染み、委員会等の役員決めも済んだため、集団のなかで誰がどのポジションか、また女子のグループメンバーもそれなりに固定されつつあった。

俺はというと、米澤冬香と仲良くなり隊、という直球な同盟結成をキッカケに、隣人の芳賀夏枝とはどんどん親しくなっていった。
第三者から見て一目瞭然な変化は、まず互いを名前で呼ぶようになったところだろうか。


「あれはなんつーか、宮ちゃんの助言に基づいてみたっつーか」
「は?」


やはりナツにとって俺のファーストインプレッションは芳しくないものであったようだが、それも今となっては過去のネタだ。

ナツは英語のプリントの裏になにやら書き出している。
それ、あとで提出しなきゃいけないプリントだよな。
という指摘はあえて声にしないでおこう。
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