seasons.(シーズンズ)【完】
*
「――っはぁ……!?」
夢の中の僕が眠った時、現実世界の僕は目を覚ました。
辺りを見回すとここは明らかに旅館の一室で、あまりにもリアルだった夢から覚めたことに胸を撫で下ろす。
「アッキだいじょぶ~?めっちゃうなされてたケド」
「調子悪いのか?」
同室の面々が僕を囲んで声を掛けてくれる。
心配させてしまったようですね。
「すいません平気です」
「そうかぁ?ならいいけど」
「顔洗ってきますね」
呼吸を乱れさせたまま、ゆっくりと体を起こす。
目は覚めきっていたけど額に大量の汗をかいていたし、冷たい水でさっぱりしたい気分だ。
「進藤」
立ち上がる僕に長谷川が、
「悪夢でも見たか?」
……悪夢だなんて言い方はしたくないですけど。
「そんなところです」
曖昧な返事をして洗面所へ向かった。
鏡に映った自分の首元に手をあてて、夢の中で起こったことを思い返す。
あんなほなみ見たことがなかった。
彼女は憎悪に支配されたような表情で僕の息の根を止めようと……。
あの先を考えるだけでも恐ろしい。
きっとほなみは浮かれている僕のことを殺したいくらいに憎いのだろう。
その怨念が夢となって現れたんだ。
彼女の言っていた通り、僕は自分の幸せのことしか考えていないのかもしれない。
君がこんなにも醜い僕を許してくれる日はくるのですか……?
「――っはぁ……!?」
夢の中の僕が眠った時、現実世界の僕は目を覚ました。
辺りを見回すとここは明らかに旅館の一室で、あまりにもリアルだった夢から覚めたことに胸を撫で下ろす。
「アッキだいじょぶ~?めっちゃうなされてたケド」
「調子悪いのか?」
同室の面々が僕を囲んで声を掛けてくれる。
心配させてしまったようですね。
「すいません平気です」
「そうかぁ?ならいいけど」
「顔洗ってきますね」
呼吸を乱れさせたまま、ゆっくりと体を起こす。
目は覚めきっていたけど額に大量の汗をかいていたし、冷たい水でさっぱりしたい気分だ。
「進藤」
立ち上がる僕に長谷川が、
「悪夢でも見たか?」
……悪夢だなんて言い方はしたくないですけど。
「そんなところです」
曖昧な返事をして洗面所へ向かった。
鏡に映った自分の首元に手をあてて、夢の中で起こったことを思い返す。
あんなほなみ見たことがなかった。
彼女は憎悪に支配されたような表情で僕の息の根を止めようと……。
あの先を考えるだけでも恐ろしい。
きっとほなみは浮かれている僕のことを殺したいくらいに憎いのだろう。
その怨念が夢となって現れたんだ。
彼女の言っていた通り、僕は自分の幸せのことしか考えていないのかもしれない。
君がこんなにも醜い僕を許してくれる日はくるのですか……?