seasons.(シーズンズ)【完】
「あはは……情けないけどさ、やっぱり怖いのよ。めいいっぱい楽しい時間を過ごして思い出を作って……だけど気が付いたらみんないなくなってそうで」
そうか、そうだったな。
遊園地帰りに起きたあの事故が、こいつの脳内ではトラウマとして根付いちまってるんだ。
けどこんな時に怖気付くなんてらしくないじゃねーか。
「心配すんなって。誰もお前を置いていったりしないさ」
「ハル……」
「それよりあのことだけどよ……」
あのこととはナツと進藤を二人きりにさせてやるという計画のことだ。
言わずとも通じているらしく、ナツは小さく頷いた。
「俺が助太刀してやるからにはナツもしっかりやれよ」
心配そうな表情のナツに俺は小声で伝え、トンと手の甲で腕を小突いてやった。
「そ、そうよね!うん……あたしこの機会を有効活用するわ。ありがとねハル」
“good luck”と口パクしてから親指を立てれば、それをちゃんと解釈できたのか、ナツはVサインを作ってから席に戻って行った。
この時ばかりは、ナツの背中がいつになく小さく見えた。
そうか、そうだったな。
遊園地帰りに起きたあの事故が、こいつの脳内ではトラウマとして根付いちまってるんだ。
けどこんな時に怖気付くなんてらしくないじゃねーか。
「心配すんなって。誰もお前を置いていったりしないさ」
「ハル……」
「それよりあのことだけどよ……」
あのこととはナツと進藤を二人きりにさせてやるという計画のことだ。
言わずとも通じているらしく、ナツは小さく頷いた。
「俺が助太刀してやるからにはナツもしっかりやれよ」
心配そうな表情のナツに俺は小声で伝え、トンと手の甲で腕を小突いてやった。
「そ、そうよね!うん……あたしこの機会を有効活用するわ。ありがとねハル」
“good luck”と口パクしてから親指を立てれば、それをちゃんと解釈できたのか、ナツはVサインを作ってから席に戻って行った。
この時ばかりは、ナツの背中がいつになく小さく見えた。