seasons.(シーズンズ)【完】



「じゃあ次ゴーカート行こう~」

「ちょいと加奈ちん。その前にフリーフォール乗りたくないかぁ~い?」

「え~、加奈落ちるの苦手~」

「いいじゃんいいじゃん。共に落ちるとこまで落ちようじゃあ~りませんか!愛の逃避行ならぬ愛の急降下みたいな?オレ達“金”沢と“加奈”でカナカナ同士相性抜群だと思うよー」

「アンタそれ前にも同じようなこと冬香に言ってたじゃない。意味わかんないわよ」


一時間後には雲ひとつ無い快晴のもと、お決まりの面子で園内を巡っている俺がいた。

流石そこそこの規模を誇るテーマパークなだけあって、平日であるにも関わらず一般客の姿も多く見受けられる。


「春輝くんからリクエストないかな~?」


木村がパンフレットを広げて訊ねてきた。

遊園地なんて小学生の遠足で一度行ったっきりだ。

それもかなり記憶が曖昧。

元々こういうのに関心が薄かったというのもあり、何が無難なのか思い悩む。
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