seasons.(シーズンズ)【完】



「……大丈夫?」

「……すいません。不慣れなものでして……」


数十分後。

つい調子に乗り、何種類もあるジェットコースターばかり立て続けに選んでしまったせいで、秋人くんはすっかりグロッキーになっていた。

ムード重視でメリーゴウランドでも選んでおけば良かった、なんて後悔しても後の祭り。


「ごめんなさい。あたしがもっと早く気付いてあげれば……」

「謝らないでください。僕だって乗り気だったんです。自業自得ですよ」


冷や汗を滲ませて苦笑しつつもあたしをフォローしてくれる秋人くん。

弱ってる姿も素敵、だなんて思ってしまうあたしはもしかしてSの素質有りだったり……?


「飲み物と酔い止め買ってくるわ。ここで待っててくれる?」


酔い止めって今更効くか知らないけど、持っておくに越したことはないわよね。

あたしは秋人くんをベンチに座らせて、すぐ近くの売店へ入った。

売店の中には食べ物の他にお土産コーナーも設けられていて、思わずそちらに目がいってしまう。
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