seasons.(シーズンズ)【完】
「気付いてたのか!?」
「あ、図星なんだ」
「…………」
いつだかナツの前でもやらかしたけど、俺って墓穴掘るの得意だよなー。
こんなこと得意でも悲しいだけだ。
「長谷川くんの振る舞いちょっと無理があったよ?加奈ちゃんも怪しんでたし」
米澤はクスクスと笑っている。
死んでも隠密は向いてないな俺。
「でも金沢くんは気付いてないと思うから」
あの能天気にさえ感付かれていたら切腹モンだろ。
自販機で買ったお茶を一口飲んでから、ふうと息をつく米澤。
「夏枝ちゃん、あっくんと何してるんだろ?」
「気になるのか?」
なんとなく、軽い気持ちで訊いたつもりだったんだ。
「……気になるよ」
だが米澤の返答は、俺の予想を遥かに上回っていた。
向こうにある絶叫マシンから聴こえてくる悲鳴が、この張り詰めた空気を裂くようだ。
足元を見据えていた米澤が、こちらを向くなり口を開く。
「私あっくんのことが好きなんだ」
突拍子も無い爆弾発言に、俺は不吉なすぐさま方程式を完成させてしまった。
「……お前、それ本気で言ってるのかよ」
だって、それじゃあナツと米澤は……。
「ねぇ長谷川くん。私どうすればいいのかな?」
きっと数年後には思い出として語られることになる修学旅行の最中、俺は密かに感じ悟っていたのかもしれない。
この先波瀾が巻き起こるであろうことを。
「あ、図星なんだ」
「…………」
いつだかナツの前でもやらかしたけど、俺って墓穴掘るの得意だよなー。
こんなこと得意でも悲しいだけだ。
「長谷川くんの振る舞いちょっと無理があったよ?加奈ちゃんも怪しんでたし」
米澤はクスクスと笑っている。
死んでも隠密は向いてないな俺。
「でも金沢くんは気付いてないと思うから」
あの能天気にさえ感付かれていたら切腹モンだろ。
自販機で買ったお茶を一口飲んでから、ふうと息をつく米澤。
「夏枝ちゃん、あっくんと何してるんだろ?」
「気になるのか?」
なんとなく、軽い気持ちで訊いたつもりだったんだ。
「……気になるよ」
だが米澤の返答は、俺の予想を遥かに上回っていた。
向こうにある絶叫マシンから聴こえてくる悲鳴が、この張り詰めた空気を裂くようだ。
足元を見据えていた米澤が、こちらを向くなり口を開く。
「私あっくんのことが好きなんだ」
突拍子も無い爆弾発言に、俺は不吉なすぐさま方程式を完成させてしまった。
「……お前、それ本気で言ってるのかよ」
だって、それじゃあナツと米澤は……。
「ねぇ長谷川くん。私どうすればいいのかな?」
きっと数年後には思い出として語られることになる修学旅行の最中、俺は密かに感じ悟っていたのかもしれない。
この先波瀾が巻き起こるであろうことを。