seasons.(シーズンズ)【完】
「そうだ進藤!わりぃんだけど荷物持ちきれそうにないから手伝ってくれねーか?ついでに商品探すのも」

「構いませんよ。どうせ戻るところも一緒ですしね」


助かった。やはり持つべきものは友だぜ。


「その代わりと言っちゃなんですが、僕の相談に乗っていただけないでしょうか?長谷川の意見を是非聞きたいので」

「参考になるようなこと言えるか自信はねーけど……なんだ?」

「好きな人、いますか?」


内容がまさか色恋沙汰だと思ってもいなかった俺は、思わず目をパチクリさせる。

そりゃ年頃だけどよ、進藤って思春期特有の下ネタとかも通じなさそうだし、まして恋愛に疎そうだから。

こりゃ意表を突かれたぜ。


「正直今はいねーな。彼女ほしいとも思わねーし」

「そうですか。では初恋っていつでした?」

「小三だかその辺だったような……」

「やっぱりそのくらいですよね、普通は」


普通とか基準に則ってするものでもないけどな。

気が付いたら好きになってたんだからよ。
< 261 / 410 >

この作品をシェア

pagetop