seasons.(シーズンズ)【完】
「……中三で初恋っておかしいと思いますか?」

「個人差はあるだろうし、別におかしかないけど……ってなんだ!?もしや進藤好きな奴できたのか?」


無言のまま首を縦にも横にも振らない進藤。

少し間を空け「う~ん」と唸って首を傾げだした。


「分からないんです。この気持ちが“好き”に当てはまるのか」


いわゆるラブとライクの違いという奴だろうか。

初恋だったら悩まされるのも無理ないだろう。


「なんつーかな、ドキドキするとかそんなんを感じたら好きなんじゃねーの?」


なんか乙女チックなこと言ってる自分が恥ずかしくなった。


「それ、同じようなこと芳賀さんにも言われました」


アイツも可愛いこというじゃねーか。

思えばナツは進藤が好きなんだよな。

てことは、だ。

もし進藤の初恋の相手がもしナツじゃなかったら……?

不安が脳裏を過ぎるも会話は続ける。


「……そうですね。彼女のことを守ってあげたいとは思います」

「それは好き確定だろ」

「だけど罪悪感というか、変な感情が入り混じるんです。僕は彼女を好きになっていいのか?と考えさせられるんですよ」
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