seasons.(シーズンズ)【完】
「告白……したの?」
「はい」
「いつ?」
「今さっきです」
展開の速さに衝撃が大きすぎて、返す言葉を失った。
その場に崩れ落ちそうになるのを、ぐっと堪える。
いつか、こうなる日がくる気はしてた。
でも心のどこかでは、その前に彼の気持ちを変えられるかもしれないという浅はかな期待もあった。
「ただ少し未練がありまして」
秋人くんは一方的に話続ける。
「冬香は僕のことが好きとは言ってくださったんです。けれどごめんなさいと断られ逃げられてしまいましたよ。せめて理由くらい聞きたかったのですが……」
絡み合った糸が解けるように、答えが出せた。
そっか……そういうこと。
崩しようのないくらいお人好しの馬鹿ね、あの子も。
「秋人くん、体育館倉庫行ってくれない?」
「ですけどこれから芳賀さん達のライブが」
「そこの方がよく聴こえるのよ。あたしは秋人くんにそこで聴いてもらいたいの」
そんなわけない。
そんなわけないのにね。
「約束だからねっ」
それだけ言い残して、冬香を探しにその場を去る。
不思議と涙は流さなかった。
「はい」
「いつ?」
「今さっきです」
展開の速さに衝撃が大きすぎて、返す言葉を失った。
その場に崩れ落ちそうになるのを、ぐっと堪える。
いつか、こうなる日がくる気はしてた。
でも心のどこかでは、その前に彼の気持ちを変えられるかもしれないという浅はかな期待もあった。
「ただ少し未練がありまして」
秋人くんは一方的に話続ける。
「冬香は僕のことが好きとは言ってくださったんです。けれどごめんなさいと断られ逃げられてしまいましたよ。せめて理由くらい聞きたかったのですが……」
絡み合った糸が解けるように、答えが出せた。
そっか……そういうこと。
崩しようのないくらいお人好しの馬鹿ね、あの子も。
「秋人くん、体育館倉庫行ってくれない?」
「ですけどこれから芳賀さん達のライブが」
「そこの方がよく聴こえるのよ。あたしは秋人くんにそこで聴いてもらいたいの」
そんなわけない。
そんなわけないのにね。
「約束だからねっ」
それだけ言い残して、冬香を探しにその場を去る。
不思議と涙は流さなかった。