seasons.(シーズンズ)【完】
*春輝side 


『みなさ~ん!盛り上がってますかぁ~?』


フィナーレ前のフリーステージに、ナツが木村と参加するとの噂はマジだったようだ。

発表を終えたシゲら男集団で漫才やら手品やらパフォーマンスを見届けていたら、いきなり木村の気の抜けるような声が体育館内に響いた。

眩いライトで照らされたステージには、ナツ含むバンドメンバーがマイクの前に整列している。

まさか山崎までいるとは。

アイツら犬猿の仲かと思いきや、なんやかんやで仲良しなんだな。

女の友情ってこれだからわかんねぇ。


『わたし達はこの日のために結成された即席バンドチームなので名前はありませ~ん!密かに募集中で~す』


隣でシゲが「じゃあラブリーズ」とか「プリティーズもいいな」とか、相変わらずセンスの無い候補を挙げていたのは軽く無視しといた。

続いてマイクを回してメンバーの紹介に入り出す。
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