seasons.(シーズンズ)【完】
わざと嘲笑ってみるとナツは視線を下に落とし俯き、そして……、
「どうして冬香だったのかしら?」
一粒の涙を零した。
涙声が次から次へと言葉を紡いでいく。
「だってあたしの方が先に好きになってたのよ?秋人くんを想う気持ちも誰にも負けない自信があったわ」
「ああ」
「なのにどうして?突然出てきて当たり前のようにくっついちゃってさ。冬香のくせにいい身分よ」
「ああ」
「だけどね、それでも冬香のこと嫌いになれないの。秋人くんも冬香も大切な存在だから……だからあたし二人の幸せを取り持った」
「ああ」
「あたし……間違ってる?」
「いや」
こいつは一見すると、身勝手で自己中心的でまるでわがままを極めた、嵐のような女に見える。
けど違う。
本当は自分が犠牲になってでも他人の幸福を願えるような大人びた奴なんだ。
「よく頑張ったな」
いつだかのおじさんがやっていたようにくしゃくしゃと頭を撫でてやれば、歯止めが利かなくなったらしい。
ナツは肩を震わせて泣き喚いた。
「どうして冬香だったのかしら?」
一粒の涙を零した。
涙声が次から次へと言葉を紡いでいく。
「だってあたしの方が先に好きになってたのよ?秋人くんを想う気持ちも誰にも負けない自信があったわ」
「ああ」
「なのにどうして?突然出てきて当たり前のようにくっついちゃってさ。冬香のくせにいい身分よ」
「ああ」
「だけどね、それでも冬香のこと嫌いになれないの。秋人くんも冬香も大切な存在だから……だからあたし二人の幸せを取り持った」
「ああ」
「あたし……間違ってる?」
「いや」
こいつは一見すると、身勝手で自己中心的でまるでわがままを極めた、嵐のような女に見える。
けど違う。
本当は自分が犠牲になってでも他人の幸福を願えるような大人びた奴なんだ。
「よく頑張ったな」
いつだかのおじさんがやっていたようにくしゃくしゃと頭を撫でてやれば、歯止めが利かなくなったらしい。
ナツは肩を震わせて泣き喚いた。