seasons.(シーズンズ)【完】
*夏枝side
学校祭で行ったライブのあと、とてもじゃないけどテンションを上げる気になれなかったあたしは、静けさを求めて一人屋上に逃げた。
そしたらハルってば本当お節介なんだから……。
泣くのを堪えて必死に笑顔を取り繕ったものの、あえなくボロが出ちゃって結局泣きついちゃったわ。
人前で泣くなんて(ていうか泣くこと自体)すごく久しぶりだったから、おかげでスッキリしたけどね。
気が済むまで泣いてから、閉会式が終わったのを見計らう。
みんなのもとへ戻る前、あたしはポケットに入っていたある物の存在に気付いた。
「どうした?」
「ううん、なんでも」
修学旅行で秋人くんとお揃いで買ったお守り。
あの時間は幸せだったな……。
大好きな人と二人きりで、まるで恋人のように隣を歩いていた。
でも思えばこの時気付かされたんだっけ。
彼が選んだのはあたしじゃないんだってことに。
学校祭で行ったライブのあと、とてもじゃないけどテンションを上げる気になれなかったあたしは、静けさを求めて一人屋上に逃げた。
そしたらハルってば本当お節介なんだから……。
泣くのを堪えて必死に笑顔を取り繕ったものの、あえなくボロが出ちゃって結局泣きついちゃったわ。
人前で泣くなんて(ていうか泣くこと自体)すごく久しぶりだったから、おかげでスッキリしたけどね。
気が済むまで泣いてから、閉会式が終わったのを見計らう。
みんなのもとへ戻る前、あたしはポケットに入っていたある物の存在に気付いた。
「どうした?」
「ううん、なんでも」
修学旅行で秋人くんとお揃いで買ったお守り。
あの時間は幸せだったな……。
大好きな人と二人きりで、まるで恋人のように隣を歩いていた。
でも思えばこの時気付かされたんだっけ。
彼が選んだのはあたしじゃないんだってことに。