seasons.(シーズンズ)【完】
*冬香side
英語の授業で毎回決まって行われる持ち物チェック。
担当の先生が厳しいためか、誰一人忘れ物なんてしない唯一の教科……だったはずなんだけれど。
「芳賀サン、アナタ教科書はどうしたザマスか?」
先生の言葉に教室内がざわめき始める。
夏枝ちゃんの方を見遣ると、先生がご立腹している姿があった。
「忘れました」
おかしい。
だってさっき夏枝ちゃん英語の教科書を持って私のところに来たのに……。
あれは一時的な借り物だったってこと?
「忘れたってアナタ、それは気が弛んでる証拠ザマスよ」
「はいはい、次は気を付けます」
不貞腐れる夏枝ちゃんの隣に座る長谷川くんが何か言いたげな面持ちだったのは、私の思い違いじゃなかったはず。
英語の授業で毎回決まって行われる持ち物チェック。
担当の先生が厳しいためか、誰一人忘れ物なんてしない唯一の教科……だったはずなんだけれど。
「芳賀サン、アナタ教科書はどうしたザマスか?」
先生の言葉に教室内がざわめき始める。
夏枝ちゃんの方を見遣ると、先生がご立腹している姿があった。
「忘れました」
おかしい。
だってさっき夏枝ちゃん英語の教科書を持って私のところに来たのに……。
あれは一時的な借り物だったってこと?
「忘れたってアナタ、それは気が弛んでる証拠ザマスよ」
「はいはい、次は気を付けます」
不貞腐れる夏枝ちゃんの隣に座る長谷川くんが何か言いたげな面持ちだったのは、私の思い違いじゃなかったはず。