seasons.(シーズンズ)【完】



「ハルしっかりー!」

「長谷川くん頑張れ~!」


飛び交う掛け声、ボールが床を叩く音、絹を裂くような甲高いホイッスル。

体育館には色んな音が鳴り響いていた。

現在俺はクラスメイトの声援を受けながらボールを追って、コートの中を駆け回っている最中である。

そう、今日は球技大会なのだ。

最近毎日があっという間に過ぎ去っていく気がする。

充実した学校生活が送れてる証拠だと思えば悪くもないが、同時に受験当日が迫っているという事実を忘れてはいけない。


「おつかれさまー」

「いやぁ、途中逆転できると思ったけど、やっぱり元部長がいるクラスにゃ適わなかったか」

「くそー、悔しいなー」


試合では何とか一度シュートを決めたものの、それも元バスケ部集団の前ではまぐれみたいなものだったようで。

残念ながら俺達のクラスは準準決勝で敗退しまった。
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