seasons.(シーズンズ)【完】
言い訳がましいが、そもそも現役部員は自分の部活の競技に出れないのに、引退済みの元部員はエントリー可能という制度が気に食わん。

いくら三年に華を持たせたいからって、けちょんけちょんにされていた一年生の今にも泣きだしそうな顔には良心が痛んだぞ。


「みんな頑張ったんですから、誰も文句なんて言いませんよ」


ナツからスポーツドリンクを受け取った進藤が励ましの言葉をくれる。

クラスメイトへのフォローも忘れない辺りは、さすが委員長といったところか。


「アッキ優しいっ。オレすんげー頑張ったからもっと褒めて褒めて~?」


共に戦ったシゲが進藤に擦り寄る様は、目に毒そのものだった。

コイツはこういうカマくさい仕草がほんと好きだよな。


「優勝は女バスチームに任せなさい!」


ナツいわく女に二言は無いらしいが、それを言うなら男に二言はだろ。

けれどコイツの自信を信じた俺は間違っちゃいなかったようだ。

ドッヂとバレーを挟んだのち行われた女子バスケのリーグ戦で、D組はトントン拍子で決勝まで勝ち進んでいった。
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