seasons.(シーズンズ)【完】
「アンタらに恨まれるような真似した覚えはないんだけど」

「だって前から気に入らなかったんだもん~、そのうっぜーキャラ」

「可愛くもないのに目立つことばっかしすぎ」

「てか学祭のステージ何あれ?ちょっと歌上手いからって調子こかないでよね。見苦しいにもほどがあるっつーの」


何かと思えばただの僻みじゃない。ガキじゃあるまいし。

でもどうりであんな幼稚な嫌がらせしてくるわけだと、豪く納得がいったわ。

少しでも歌唱力を褒めてくれているのが笑える。


「悪いけど僻みとか聞く気ないから。じゃあね」


本当は冥土送りにしてやりたいところだけど、生憎今はそんな暇無い。

それは次回のお楽しみにするとしましょうか。


「待ってよ。大人しく帰すと思ってるの?」


歩き出すあたしを常套句付きで呼び止めたのは、準準決勝で戦ったチームにいた女子。

それでも無視して横を通り過ぎようとしたら、肩を掴まれた。

あー、もう!しつこいわね。
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