seasons.(シーズンズ)【完】
「アンタさっきの試合でわたしの足踏んだでしょ」


どうやら根に持っている様子。

別に反則だったわけじゃないし、そんなことバスケには付き物よ。

いちいち気にしてたらキリが無いわ。


「あれはワザとじゃないし、ちゃんと謝ったじゃない」

「めっちゃ痛かったんですけど」

「だからごめんって」

「あーあ指折れてたらどうしよ~」


うわ~ムッカつく。

ならこんなアホくさいことしてないで、さっさと病院行って診察してもらえばいいじゃないの。

言い返したい衝動に駆られるも、これ以上構っていると時間が勿体無いから口を噤む。

肩に置かれた手を振り払って、再び前進するあたし。

しかし数歩進んだところで、今度は突然サイドについた二人に両腕を捕られた。


「芳賀さん、あんた少し自重しなよ」


いい加減声を荒げようとした矢先、抵抗する間もなく勢いよく倉庫の中へ放り込まれてしまった。

幸いマットがあったから体を強打することはなかったけど、上半身を起こした時には既に扉は閉められていて、


「ずっとそこで籠城してな」

「決勝戦出れなくなっちゃうけどね~」
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