seasons.(シーズンズ)【完】
「……ご、ごめ……なさい」
「あー、いやいやこっちこそ、なんかごめんね。無理矢理嫌がることしちゃって」


俯きがちな私に苦笑いでお詫びしながら、芳賀さんはそそくさと引き下がっていった。

……今のは少しやりすぎたかな?
でも元はと言えば悪いのは余計なお節介を焼いたあっちだよね。
私はただ正当防衛をしただけだよ。
そう、私は悪くない。


「米澤冬香、絶対振り向かせてやるわ!」


後方から芳賀さんのそんなセリフが聞こえたけど、私は内心それ否定する。

無理だよ、信じられない。
どんな正義感に溢れた言葉も、所詮は綺麗事を並べただけの戯言に聞こえるの。
今の私はあなた達を信じることが怖いんだよ。
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