seasons.(シーズンズ)【完】
「とにかく出ましょう!決勝戦に間に合わなくなっちゃうわ」
けどそうは言ったって窓は無いし、出口はつっかえ棒で閉ざされたあの扉だけ。
さっきも考えた通り、誰かが通り掛かってくれることを待つしか策はなかった。
自分の言ったことに改めてしょげ返るあたしをよそに、近くにあったポールを手にする冬香。
「……ちょっと、何する気なの?」
「強行突破だよ」
背筋が凍った。寒いからじゃない。
冬香がらしくもないことを言ったから。
「やめなさいって!そんなことしたら器物破損で問題になるわよ!?」
「でも夏枝ちゃん試合があるんでしょ?早く行かなきゃ!」
「そうだけどやっても良いことと駄目なことってのがあるでしょう!?」
あたしが怒鳴っても冬香は止める気配を見せない。
大して力も無いくせに、ポールで扉を突き破ろうと必死だった。
ガン!ガン!と荒っぽい音が薄暗い倉庫の中に響く。
冬香の様子がおかしい気がして、あたしは怖くなった。
けどそうは言ったって窓は無いし、出口はつっかえ棒で閉ざされたあの扉だけ。
さっきも考えた通り、誰かが通り掛かってくれることを待つしか策はなかった。
自分の言ったことに改めてしょげ返るあたしをよそに、近くにあったポールを手にする冬香。
「……ちょっと、何する気なの?」
「強行突破だよ」
背筋が凍った。寒いからじゃない。
冬香がらしくもないことを言ったから。
「やめなさいって!そんなことしたら器物破損で問題になるわよ!?」
「でも夏枝ちゃん試合があるんでしょ?早く行かなきゃ!」
「そうだけどやっても良いことと駄目なことってのがあるでしょう!?」
あたしが怒鳴っても冬香は止める気配を見せない。
大して力も無いくせに、ポールで扉を突き破ろうと必死だった。
ガン!ガン!と荒っぽい音が薄暗い倉庫の中に響く。
冬香の様子がおかしい気がして、あたしは怖くなった。