seasons.(シーズンズ)【完】
「違うんです先生!私がやったんです」
あたしが思い悩むなか、冬香は焦った様子で自白した。
冬香がこれをやったのは事実。
けど元を考えれば原因はあたしで、冬香は全然悪くなんかない。
「ちょっと冬香!?」
「私はいいから試合に行って。夏枝ちゃんがいなきゃ駄目なの、分かってるよね?」
割って入ろうとしたあたしの耳元で、冬香は声のボリュームを下げて言った。
混じり気のない真剣な顔は、いつになく凛々しく見える。
「お願い。少しは私に恩返しさせて?」
その切実そうな頼みに、あたしは何も言い返すことができなくなった。
「先生、話なら私だけで十分ですよね?芳賀さんは被害者なんですから」
「そうザマスの?では米澤サン職員室へ来るザマス」
これで良かったなんて思ってない。
「それじゃ夏枝ちゃん、試合頑張ってね」
でも普段遠慮しがちな冬香からあんなお願いされちゃ、いくらあたしだって行動を慎むわよ。
あたしは自分を置いて行ってしまう二人を追うことはできなかった。
というより、この場から動くことすらできなかった。
あたしが思い悩むなか、冬香は焦った様子で自白した。
冬香がこれをやったのは事実。
けど元を考えれば原因はあたしで、冬香は全然悪くなんかない。
「ちょっと冬香!?」
「私はいいから試合に行って。夏枝ちゃんがいなきゃ駄目なの、分かってるよね?」
割って入ろうとしたあたしの耳元で、冬香は声のボリュームを下げて言った。
混じり気のない真剣な顔は、いつになく凛々しく見える。
「お願い。少しは私に恩返しさせて?」
その切実そうな頼みに、あたしは何も言い返すことができなくなった。
「先生、話なら私だけで十分ですよね?芳賀さんは被害者なんですから」
「そうザマスの?では米澤サン職員室へ来るザマス」
これで良かったなんて思ってない。
「それじゃ夏枝ちゃん、試合頑張ってね」
でも普段遠慮しがちな冬香からあんなお願いされちゃ、いくらあたしだって行動を慎むわよ。
あたしは自分を置いて行ってしまう二人を追うことはできなかった。
というより、この場から動くことすらできなかった。