seasons.(シーズンズ)【完】

友情リフレイン

*夏枝side


「芳賀ァ。お前の才能を放っておくのは実に勿体無い。先生はバスケ名門校への進学を大いに推薦する」

「だーかーら、あたしは美容師になるって言ってるでしょう。バスケは趣味程度にしかしないってば」

「そうかァ。やっぱりそうなのかァ……くぅ~先生悲しい!」


球技大会も優勝という満足な結果で終わり、遂に残る学校行事は受験と卒業式だけとなったあたし達。

近頃は誰もが大詰めを迎え、無我夢中で問題集やら参考書をめくっている。

あたしはというとクリスマス会に備え大人の意見も取り入れようと、放課後を利用して宮ちゃんにベッタリだった。


「そんなことより、先生が若い頃したクリスマスの騒ぎ方を参考にしたいから何か教えてくれない?」

「いや、お前勉強しろよォ」

「するわよ。だから教えってば」


宮ちゃんは知らないでしょうけど、あたしこう見えてやることはやってるのよ。

……最低限ではあるけど。


「じゃあ俺からも訊きたいことがあるんだが、いいか?」

「何よ?」


やっぱり進学先をバスケ名門校に変えないか?

って話はここ数日で腐るほど聞いてるから勘弁してほしい。
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