seasons.(シーズンズ)【完】
*秋人side
二人の誕生日の間がクリスマスイヴということもあって、今日は本格的な初デートに最適な日だった。
二人で買い物をしたり食事をしたり、彼女と過ごす時間がこんなにも幸せだと改めて実感した。
「あ」
日本のクリスマスにはそぐわない南島が舞台の映画を見終わった後、大通りのイルミネーションを長めていたら、冬香が短く言葉を漏らした。
彼女の視線先を目で追うと、そこには3Dメンバーが。
芳賀さんを先頭に歩きながら、笑顔で談笑しているクラスメイト達。
「みんな楽しそうだね」
「ですね」
人数は多い方が楽しいと言いますが、あの光景を見ているとごもっともだと納得させられます。
生憎あの輪に入れてもらうことは叶いませんでしたが、もしかしたら僕と冬香への配慮のつもりだったのかもしれませんし、芳賀さんなりに色々と考えた結果なのでしょう。
「ちょっと夏枝ちゃんに挨拶してこようかな」
そう言って一歩踏み出した冬香を、
「……あっくん?」
僕は腕を掴んで阻止していた。
「す、すいません……!」
慌てて手を引っ込める。
冬香は大きな目をぱちくりさせていた。
何をしているんでしょう僕は。
相手はクラスメイトですよ。
止める必要なんてなかったじゃないですか。
「もしかしてやきもち?」
「え?」
「行かないでほしかった?」
きっと図星なんだ。
だからこんなにも心臓がうるさい。
二人の誕生日の間がクリスマスイヴということもあって、今日は本格的な初デートに最適な日だった。
二人で買い物をしたり食事をしたり、彼女と過ごす時間がこんなにも幸せだと改めて実感した。
「あ」
日本のクリスマスにはそぐわない南島が舞台の映画を見終わった後、大通りのイルミネーションを長めていたら、冬香が短く言葉を漏らした。
彼女の視線先を目で追うと、そこには3Dメンバーが。
芳賀さんを先頭に歩きながら、笑顔で談笑しているクラスメイト達。
「みんな楽しそうだね」
「ですね」
人数は多い方が楽しいと言いますが、あの光景を見ているとごもっともだと納得させられます。
生憎あの輪に入れてもらうことは叶いませんでしたが、もしかしたら僕と冬香への配慮のつもりだったのかもしれませんし、芳賀さんなりに色々と考えた結果なのでしょう。
「ちょっと夏枝ちゃんに挨拶してこようかな」
そう言って一歩踏み出した冬香を、
「……あっくん?」
僕は腕を掴んで阻止していた。
「す、すいません……!」
慌てて手を引っ込める。
冬香は大きな目をぱちくりさせていた。
何をしているんでしょう僕は。
相手はクラスメイトですよ。
止める必要なんてなかったじゃないですか。
「もしかしてやきもち?」
「え?」
「行かないでほしかった?」
きっと図星なんだ。
だからこんなにも心臓がうるさい。