seasons.(シーズンズ)【完】



「へえー、ふゆちゃん恋愛小説好きなんだね」
「そうなの。私もこんな恋がしたいなあ」


凛ちゃんとは課題研究の合間にたくさんの会話を交わした。
仲良くするキッカケとなった読書の話。
面白いテレビ番組や、カッコイイ男の子の話。
家で飼っている可愛いペットや、昨夜見た不思議な夢の話。
普通の女の子達がするような本当に他愛もない、だけど自然と笑顔になれる会話をたくさんして、私の日常は華やかに色づき始めていた。

凛ちゃんと仲良くなってから、私は学校に行くことが苦にならなくなった。
それどころか家に帰らず、できれば凛ちゃんとずっと話していたいくらい学校生活を楽しいと感じていた。


「それでさー、ウチの犬がねー……」


社会科の課題新聞は先生からも好評で、その後も私と凛ちゃんは引き続き親しくしていた。
凛ちゃんは今まで仲良くしていた女の子達の輪から抜け出してでも、私のところへ来ては愉快な話をいっぱいしてくれる。
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