seasons.(シーズンズ)【完】



顔を上げるとちょうど空が薄暗くなってきた頃だった。

窓の外では雪がしんしんと降っている。

あれからどのくらい時計の針が進んだのだろう?

そういえば学校無断欠席になっちまったな……。

ま……一日くらい大丈夫か。

丸一日何も口にしてないというのに、変わらず食欲はわかなかった。

不思議と睡魔も襲ってこなかった。

飲み食いしてないからか、トイレの回数も極端に減っていた。

このままじゃ死んでしまうんじゃないかと思うほど、俺の体は極限値に迫っているのだろう。

でもそんなことどうでもいいと感じるくらい、肉体より精神がむしばまれていた。

自分自身が壊れていくのを思い知りながら、虚無が充満した空間で身を丸める。

そしたらお前が来てくれたんだ。


「ハル!?」


いくら隣のよしみにしても付き合い良すぎだぞ、ナツ。
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