seasons.(シーズンズ)【完】
初めは偶然席が隣だったから、隣のよしみとか言って俺から声を掛けたんだっけ。

それから米澤の一件で仲良くなって、体育祭では一緒に二人三脚でアンカーやったよな。

放課後練習で俺をスパルタ教育した甲斐もあって、見事優勝できた時はなんだかんだで嬉しかったよ。

どしゃぶりの雨の日に、不本意な相合傘して帰ったこともあった。

その時辛い過去話を聞かされて、お前を見る目が少し変わったんだ。無論良い意味でだけど。

誕生日と被せた夏祭りではお前の歌唱力に驚かされたもんだよ。

行事の多かった秋には、修学旅行実行委員を必然的に二人で担ってたよな。

お前の頼みをきくため、遊園地では恥ずかしい思いもしたっけ。

続け様のように行われた学校祭では、今みたいに二人屋上で話した。

その時の立場は今とは真逆で、泣いていたのはお前の方だったな。

あんまり上手いこと言えなかったけど、あれは俺なりに励ましたつもりだったんだぜ。
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