seasons.(シーズンズ)【完】
「僕もです。これまで生きてきて一番濃い一年でしたね」


秋人くんの言葉に頷く。

だからこそ色んな意味で成長できた一年間だったんじゃないかしら。

嬉しいことも、悲しいことも、みんなと共有して、絆ってものを実感できた。


「俺だって、濃度にしたら120%くらいだぜ」

「それ固体じゃない」

「そりゃ誰だってお前みたいな強烈女が傍にいりゃな」


それを言うならあたしはハルがいたからこそ、強烈になっちゃったのかもね。

一年間のなかで最もお世話になったのはハルなんじゃないかしら。

助けられた場面も、迷惑をかけた場面もいっぱい思いつくもの。

でもハルはずっとあたしに付き合ってくれていたわね。

そこんところは特に感謝してる。

アンタほど深い関係になった男はいないわよ。

だって結婚したわけでもないのに、友達が家族になっちゃってたなんて、おかしな話だと思わない?


「みなさん高校は離れ離れですが、これからも仲良くしましょうね」

「当たり前だよ」

「ていうか切っても切れなそうだよな。俺達の縁は」


そうね。

あたし達の縁はちょっとやそっとじゃ切れないわよ。

ハサミはもちろん、チェーンソーを用いても絶対切れないんだから。
< 397 / 410 >

この作品をシェア

pagetop