seasons.(シーズンズ)【完】
突然低音ボイスが背後から聞こえたと同時に、ごつんと頭に走る痛み。
顔の筋肉を歪めたあたしが振り向くと、サッカーボールを抱えた宮ちゃんがこちらを見下ろしていた。
逆光のせいでハッキリとした表情は窺えないけど、鬼のような血相をしているわけでもなさそう。
「宮ちゃんったら何すんのよ、痛いわね」
「痛いのは俺の心だろうがよォ。まともに授業受けてくれないと先生泣いちゃう」
ふざけて泣いたフリをする宮ちゃんが哀れに見える。
哀れにしている張本人はどこの誰だか、という突っ込みは無しの方向で。
ついでに、ゴールポスト付近でプロサッカー選手の真似事をしている金沢が派手に転倒していたのも、見なかったことにしたい。
顔の筋肉を歪めたあたしが振り向くと、サッカーボールを抱えた宮ちゃんがこちらを見下ろしていた。
逆光のせいでハッキリとした表情は窺えないけど、鬼のような血相をしているわけでもなさそう。
「宮ちゃんったら何すんのよ、痛いわね」
「痛いのは俺の心だろうがよォ。まともに授業受けてくれないと先生泣いちゃう」
ふざけて泣いたフリをする宮ちゃんが哀れに見える。
哀れにしている張本人はどこの誰だか、という突っ込みは無しの方向で。
ついでに、ゴールポスト付近でプロサッカー選手の真似事をしている金沢が派手に転倒していたのも、見なかったことにしたい。