seasons.(シーズンズ)【完】
「ナッちゃんってば相変わらず手厳しいなぁ~。いやね、本当はアッキに勉強教えてもらおうと思ったんけどサボりでいないんだなこれが」
「サボり?進藤が?」


そんな馬鹿な。とシゲを疑いつつ進藤の席を見れば、確かに奴の姿は見当たらない。
席を立って誰かに勉強を教えてあげているのだろうと視線を移動させるも、やはり教室内のどこにも進藤はいなかった。


「あー、今年度はまだやってなかったけどね、アッキたまに授業サボるんだよ。つっても成績優秀だから先生も文句言わないんだよなーズルくね?」


だったらBTB液に幻想なんて抱いてないでちっとは真面目に勉強しろ。
そう正論を述べようとしたが、その前にまたシゲが「今日の給食のデザートに出たオレンジゼリーがうまかったとか、明日のロードショーはなんだっけとか、遂に勉強に関係ない無駄話を始めたものだから、意見する気も失せてしまった。
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