seasons.(シーズンズ)【完】
*夏枝side


「げ、芳賀夏枝……!」
「げ、ってどういう意味よ山崎凛」


冬香を振り向かることにも成功して、徐々に信頼関係を築き上げている今日この頃。
トイレの帰りに廊下でバッタリ鉢合わせしたのは、ショートウエーブヘアーが特徴的なあの女。
こんの極上性格ブス女め。
あたしを見るなり苦虫を噛み潰したよう顔するなんて、どこまで失礼な奴なの。
なんて、いきなり胸倉掴みにかかったあたしも人のこととやかく言えた身じゃないけど。


「つか芳賀夏枝、アンタが起こしたあの事件以来クラスで山崎凛ちゃん=可愛くて良い子なアイドル的存在っていうアタシへの評判がガタ落ちしたんですけど!」
「いいじゃないの、取り繕いのぶりっ子よりありのままを見てもらった方が」
「どこが!?おかげで彼氏にフラれちゃったじゃん。どーしてくれんだテメー、たいして長くもない髪ポニテにしてるせいでパイナップルみたいな頭しやがってるくせに」
「そっちこそ、伸びたインスタントラーメンみたいな髪型してるじゃない!」
「パイナップル!」
「インスタント!」
「うっさいパイン!ハガじゃなくてバカの間違いなんじゃないの?」
< 79 / 410 >

この作品をシェア

pagetop