seasons.(シーズンズ)【完】

爆走カプリッチオ

*夏枝side


冬香から勉強を教えてもらった甲斐があって、今回のテストがいつもより上出来だったあたしは、爛々としてホームルームに参加していた。
黒板の前でクラス内をまとめているのは、輝くオーラを放っている委員長の秋人くん。
やっぱりいつ見ても素敵だわ。

本日の話し合いのテーマは、テスト明けにちなんだ席替えと二週間後に控えた体育祭について。
あたしが秋人くんに見惚れている間にももちろん話は進められていて、先にクジ引きによる席替えを行う形になっていたらしく、気が付けばクジを入れた箱を持った副委員長がこちらに近付いてきていた。


「これでハルともお別れねぇ」
「なんだ、寂しいのか?」
「まぁね。この席結構楽しかったし気に入ってたのよ?」


短い期間だったけどハルを隣に授業を受けた日々は、本当に笑いが絶えなくて楽しかったわ。


「じゃあね、ハル」


今度は秋人くんの隣がいいな、などと密かな想いを込めて、あたしはクジを引いた。
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