seasons.(シーズンズ)【完】
「でも多分無理よ。身長差もペアを決める基準になるし、なにより秋人くんこっちは良いけど運動神経はあんまり良くないみたいだから」


ナツは自分の頭を指差しながら苦笑いした。
体育の授業でバウンドしたボールが顔面直撃しているのを見て以来、そんなことだろうとは思ってたけど。
進藤の数少ない欠点とも言えよう。


「逆に自慢じゃないけどあたしは運動得意だから。そこんとこ踏まえると残念なことにペアとしては合わないのよね。やっぱり真剣に優勝狙うなら得点の高いこの競技は外せないし……となるとこの段階からベストなペア決めをしていかないといけないでしょ?」


ナツにしては珍しく視野を広くして考えてるな。
感心感心……なんてのうのうととしている間に、事態はとんでもない方向へ発展していた。
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