seasons.(シーズンズ)【完】
個人競技では各自がそこそこ点を稼いで、午前の部が終了。
無論ナツはどの種目もぶっちぎりで堂々の一位。
その一方俺は、宮ちゃん期待の100m走ではフライングして恥をかいたし、借り物競争では“ロリっ子”なんていう前代未聞の紙切れを引いたばかりに、米澤の妹を借りては変態と冷やかされたり。
ホント偉い目にあったぜ。ま、一位は死守したけどな。


『これよりお昼休みと致します。なお、午後の部開始時間は13時15分からでございます』


放送部の美声アナウンスが、救いの女神の声にも聞こえた。
はあ~……これでやっと一息吐けるってもんだ。


「とりあえずご飯はしっかり食べるように!」
「腹が減っては軍は出来ぬと言いますしね」
「うんうん秋人くんの言う通りよ。ただしあとで横っ腹にくるといけないから腹八分目までね」


相変わらず進藤の肩を持つナツ。
ごもっともな助言だけどさ。
< 89 / 410 >

この作品をシェア

pagetop