seasons.(シーズンズ)【完】
「そーいえばみんなの家族は見に来てくれてるの?」
「私はお父さんとお母さんが妹を連れて来てるよ」
「オレは母ちゃんだけかなー」
「加奈んちはおばあちゃんとおじいちゃんまで来てたな~」
「僕は仕事で来てませんね」
「俺も進藤と同じ」


この歳になりゃ別にわざわざ来て欲しいとも思わんけど。


「だったら秋人くんとハル、あたしのところで一緒に食べましょうよ」
「そんな、悪いですよ。屋台で軽食でもとりますし」

 
進藤の意見に賛成。
一家団欒としているところに馴れ馴れしく入っていくのも気が引ける。
幸いグラウンドの端に町内会が何店か屋台を出してくれている。
そこの焼きそばやらフランクフルトやらがあれば、軽食としては十分だ。


「気にしないで。おばさん可愛い男の子好きだから大歓迎してくれるだろうし。それにお弁当食べきれないほど作ってきたみたいだからその方が都合いいのよ」


おばさんショタコン疑惑かよ。
……ん、待てよ。おばさん?お母さんじゃないのか?
俺から見ておばさんでも、ナツ本人からしてみればお母さんじゃないのか?
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