seasons.（シーズンズ）【完】

「言っておくけどＦ組アンカーはこのアタシと陸上部部長の五十嵐（いがらし）くんだからね！他の生徒もみんな特訓に特訓を重ねたから、並大抵の力で勝てると思ったら大間違い！」
「随分ナメてくれてるみたいだけどこっちのアンカーなんてね、運動神経抜群のあたしと狼の如く地を駆け抜ける男の異名を持つ長谷川春輝のゴールデンペアなのよ！」


そんな異名を授かった覚えは塵も無い。


「なーに、そいつ100ｍ走でフライングしてた男子じゃん。そんなのとアンカーで先が思いやられるんじゃないの～？」


小馬鹿にされたことで俺の脳内で眠っていた感情がピキ、と音を立てて覚醒した。


「おいお前！言っておくけどなぁ、Ｄ組は絶対優勝するんだからな。ンなことほざいたこと後悔させてやるからなアアン？」
「その意気よハル！覚えておきなさいよ山崎凛。Ｄ組を鼻で笑う非常識ちゃんはこの芳賀夏枝が血祭りに上げてくれるわ！」


ンなことほざいたこと後悔したのはどっちだアアン？