君と夢見るエクスプレス
2. それ、食ってやろうか?
「月曜日から宴会? ありえないでしょう?」
美波が声を上げた。
まるで頭のてっぺんから出たんじゃないかと思うような高い声。
もともと大きな目をさらに見開いて、顔いっぱいに驚きが満ちている。
そこまで驚くとさ思っていなかったから、逆に驚いたのは私の方。箸で掴んでいたエビフライを滑り落としてしまった。
焦って視線を落とすと、幸いご飯の上に横たわっていたからセーフ。テーブルにしろ床にしろ、落ちていたら大泣きしていたところだ。
「でしょう? たかが週一、手伝い程度に加わる人の歓迎会なんて必要ないと思わない?」
安心したら、つい感情のままに熱くなってしまって声のトーンまで上がってしまう。
ちくりと突き刺さる視線に振り向いたら、隣りのテーブルで食べていた何処ぞかの先輩女子社員が見てる。何事かと言わんばかりの痛い視線を私たちに注いで。
「すみません」
慌てて頭を下げると、あちらもぺこり。とりあえず穏便に解決したから一安心。
姿勢を正して箸を握り直し、再びエビフライを挟んだ。