私を見てよ…。
そうして凹んでいるうちに
ガラッと教室のドアが空いた。
「はよ、優菜」
と言って頭を撫でる空。
……あぁ、やっぱり。本当なんだね。
「おはよう、空くん。」
顔を赤らめ可愛く挨拶する優菜。
授業中、先生の話も頭をすり抜けてゆく。
……
「おい、おい!桜木美緒!」
やばっ、ぼーっとしてた。
「すみません…ちょっと気分が悪くて。保健室行ってきます。」
うつむき加減で言う。
だって涙がこぼれ落ちそうだったから。
「行ってこい。お大事にな。」
……良かった。バレなくて。
「はい。」
と返事をして席を立つ。