間違いからはじまる
「おはよ~」
呑気に挨拶してくる亜美を拉致して更衣室に駆け込んだ。何が起きたか分からない亜美はブーブー文句を言ってるがそんなのは無視だ。
「亜美!昨日の私に何があったの?」
「は?」
亜美は最初キョトンとしていたが次第に口角を上げニヤニヤし出した。その意味深な表情から私の脳裏に嫌な予感が走る。
「はは~ん。さては何かあったわね」
「余計な詮索はいいから話して!」
話すのを勿体ぶる亜美に苛立ちが募り、胸ぐらを締め上げたらようやく話す気になったらしい。
「実はね……」
亜美の話では、私が珍しく酔ってしまい1人で帰すのを躊躇していたら、都築が同じ方向だから送って行くと言ったので任せてしまったらしい。
エヘヘと笑いながら話す亜美を張り倒そうかと思ったが止めておいた。元はといえば酔っぱらった私が悪い。
しかし都築って同じ方向だったか?聞いたこともない。結局は亜美に聞いても埒があかなかった。あとは本人のみぞ知るってことね。