未設定

連れて来られたのは、…体育館裏。
…大丈夫だ。逃げ足なら問題ない。
スピードなら、…こいつになら、本気で勝つ自信しかない。
嫌な予感はしてたけど、また面倒なことになってるじゃんか。
抗ったほうがまだマシだった感じ?これって。
「俺と、付き合ってくんね?」
いや、まず誰かわからないので。
「すみませんが、せめて自己紹介を…」
「あ、あぁ。俺、サッカー部の副キャプテンやってんの。てっきりわかってると思ってた」
知ってるわけあるか。
そういう自意識過剰なところもなんか好かないなぁ。
…というより、なんだその自信に満ち溢れた顔は。
返事なんかわかってるけどさ、みたいなその顔は。
それと今気づいたところ、この人年上だよね。
副キャプテンってことは。
…彼氏とか、ただでさえ面倒臭いイメージなのに、年上とか更に面倒臭い。
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