未設定
「良いの!」
駄目だってば…。
でも、向こうはこれで私の大切なものとか、弱みを探ってくるよね…、多分。
だから、葵こそ一人になれば、絶対アイツに襲われる。
「…葵、私は一人になっても大丈夫。でも、葵?葵が一人になったら、アイツが必ず葵を襲いにくるんだよ~?」
葵は一瞬顔を歪めて、首を傾げた。
「私の大切なものが、葵ってことをアイツが知ったら…。大切なものを傷つけようとして、葵を襲いに来ちゃう可能性が高いんだよ!」
今は、私よりも葵の方が絶対に危険だ。
「だから、私は襲われても大丈夫「じゃないの!今日から一人で帰らないで。誰もいなかったら私が一緒に帰る!」
葵はまた顔を歪める。
「希純は心配しすぎだよ。私だってちょっとくらい何とかできるよ!」
そんな小さい体で何を言っているんだかこの可愛いのは。
なんとかできる、なんて言っても相手に敵うかどうかは…。
「とにかく!希純は自分を心配して!」
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