アイツ限定



「大丈夫、あたしが守るから。電車が来たら、なりふり構わず、走って駆け込みな。

あたしのことはきにしなくていいから。」



あたしは奴らに聞かれないように、小声で千夏に言う。



「マリは?」



千夏は、心配そうな顔で小声で言って来る。



「あたしは、大丈夫。こんなやつらから逃げたら、あたしたち以外の被害者が出るかもしれない。でも、1つだけお願いある。電車に乗ったら、警察に連絡して!」



あたしがそういうと、千夏がこくんとうなずいた。




「おーい、何話してるの?逃げられないよ、俺らから。諦めなよー!」








____ガタンゴトン…ガタンゴトン…プシューーっ







そこへちょうど、電車が到着した。



ナイスタイミングっ!




「あ、おまわりさーんっ!ここに、変な人たちがぁ~!」



あたしは、駅の出口を指差して、思いっきり叫んだ。

それと同時に、千夏をホームへと突き出す。


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