アイツ限定
「ってか女の子に、暴力振るってくる男って…最低だな。」
そういって、残りのロン毛野郎と、4頭身野郎を睨むあたし。
2人は脂汗をかいているのか、顔がてかっている。
「俺らを怒らすとか、お前はもう終わりだよ。」
不気味な笑みを浮かべながら、ロン毛野郎が懐から、折り畳み式のナイフを取り出した。
その瞬間、あたしは、さーっと血の気が引いていくことがわかった。
そんな…。
そんな、ナイフ相手に戦ったことなんてあたし、1度もない。
ロン毛野郎は両手でナイフをしっかりと握り、あたしの刃先を向けて、じりじりと近づいてくる。
後ろへと下がるあたし。
どうしよう、どうしよう……。
このままだと、あたしこんなくそみたいな奴らにやられる。
嫌だっ……!!
もう、あんな想いはしたくない。