アイツ限定



嫌だ、嫌だ。



「くー…。恐怖で引きつった顔もまたたまらないねぇ~…。大人しく俺らに従うんだ。」



そういって、ニヤッと不気味に笑うロン毛野郎。


その後ろでは、4頭身野郎がニタニタと気持ち悪く笑っていた。



あたしは、もう下がれるところまで下がってしまい、後ろは既に壁。



もう…逃げられない。


相手との距離はもう30センチを切っている。


でも…



「…絶対に嫌だ。」



あたしは、そういって、相手を睨む。



あんな想いするくらいなら、死んでやる。



「ふっ…生意気なお嬢ちゃんだ。」



そういって、ロン毛野郎は、あたしの喉のナイフを突き立てた。


その瞬間、ジワーっと、喉に痛みが走る。


痛みで、一瞬顔がゆがんだ。



ロン毛野郎は、あたしの喉からナイフを離し、ナイフをあたしに見せる。


ナイフの刃先には、あたしの血が赤く光っていた。



< 136 / 199 >

この作品をシェア

pagetop